「肩書だけの管理職―マクドナルド化する労働」
はい、本日はジャーナリスト安田浩一さんの本です。
死なないために、人間らしく働き続けるために。
マクドナルド、すかいらーく、セブン‐イレブン、
コナカ、CFJの現実。
すさまじい労働実態。
その中で会社に対し反旗を翻し、組合を結成していく社員達。
組合を敵視し、全く歯牙にもかけない会社。
しかたなく残業代の不払いとして裁判を起こしていくーーー
ここでは代表的な5社を取り上げていますが、大なり
小なりこんな感じでしょう。
最近そういえば店長の残業代不払いが急に裁判沙汰になるように
なったと思ったら。
こういう動きがあったのですね。
もともとは残業代というカネカネの話ではなく、
働きやすい職場を作りたいという社員達の動き、組合の結成に対して
会社側がほとんど嫌がらせのような行為に出た結果。
裁判という形で認めさせる必要が出てきたという。
私も飲食業界にいたので非常によくわかります。
この業界の体質。
残業80時間で過労死認定、と聞いて、
意外と少ないな、と思ってしまった自分が怖い。
一日16時間とか、月残業100時間を超えてる人は
ザラでしょう。
休みは二ヶ月に4日だったという人の話を
聞いたことがあります(;;)
そんな会社がベンチャーとして急成長とかもてはやされて
いてもね…いや、あそこはそのうち過労死出すでしょ、
としか思えない。
休みが取れないのは店長の力量不足、という話が出てきますが、
ある意味では正しい。
アルバイトを育てて、責任者にして休みを取るのが
店長の力量。
これは否定しない。
人に任せることができなくて、やたらと長時間労働している
店長が多いのも事実だし、
それは自分の問題。
しかし全社的な問題が同時にある。
退職率が高いので、転勤がひんぱんに起きるという問題。
アルバイトを責任者クラスに育てるには
ある程度の時間が必要。
人を育てると必然的に数字がついてくるから、
転勤の場合はより大きな店舗へ。
しかもたいていの場合は、実績出すと立直しから必要なダメ店舗を
任されるから、アルバイトも一から育てなおし。
やっと責任者が育ってさぁ休むぞ、となると
またダメ店舗へ転勤(;;)
これねぇ。ほんとに力量不足って言えるか?!
すでにそういうチェーンがうまく機能していた時代は
終ったのかなとも思います。
高度経済成長下では、同じものをより安い価格で売ることが
魅力的だったからファミレスやファーストフード、
紳士服も成長産業になった。
そのころはプロジェクトXを見ればわかるように、
どの会社も必死になって働いていた時代だったので、
外食産業だけが異常ではなかっただろうけど。
今時、隣の店より一円でも安く、じゃ
集客要因としては弱いよね。
売上が上がらないから、利益を出そうとして労働強化。
こき使われた従業員たちはよりラクで、高収入な仕事を求めて
辞めていく。
さらに人手不足で劣悪な環境に、という負のスパイラル。
コンビニも実態が伝わってしまって、なかなか新しい加盟店を
増やすのが難しくなっているようです。
24時間営業ということは、下手すると24時間働きどおし、
ってことで…
この本の中では48時間といってた方もいました(;;)
オフィスのビジネスマンの方々も他人ごとじゃありません。
「ホワイトカラー エグゼンプション」
聞いたことくらいはあるでしょうか。
残業代ゼロ法案とか、過労死促進法と揶揄されながら、
それでも「家族団らん法」などと名前を変えつつ、
導入を虎視眈々と狙っているような。
あぁ野麦峠ですね。
女工哀史ですよ。
そりゃ、「蟹工船」だって売れちゃうわけです(^^;
先人達が決死の思いで勝ち取った権利を何だって
手放さなければならないんでしょうか。
ほっとくと、歯止めがなくなるのが経済原理。
でも働くのは人間という生き物なわけです。
だから歯止めとして労働時間の縛りがあり、
それを超えて労働させちゃダメですよ〜
超えちゃったらバッキン〜っていうのが
残業代でしょう。
払えばいいってもんでもなくて、
払う事態になっちゃだめよ、管理できてないのね、メッ
というのが残業の考え方。
それをどんだけ〜でもOK,ってまずいよね…
経営者はもっと長時間労働している、という人がたまに
いるのですが、それは労働の質が違います。
簡単にいえば、
自分が水を飲みたくて飲むのと、
隣の人に口にあてがわれて飲むのの違いです。
あてがわれれば苦しいのです。
たとえのどが渇いていたって。
やっとマクドナルドに残業代認めさせたのですから。
時代に逆行するような流れは止めましょうよということで。
本当に今苦しい状態にいる方がいらっしゃるかもしれないので、
コナカの社員の方の一言を引用して
締めたいと思います。
「後悔する前に一歩踏み出してみよう!一人じゃないから」
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