「アルケミスト―夢を旅した少年」
はい、本日はパウロ・コエーリョさんの本です。
著者は「星の巡礼」「11分間」「ベロニカは死ぬことにした」
などなど、ヒット作を数々もつ小説家。
中でもこの「アルケミスト」は22カ国で翻訳される
ベストセラー。
アルケミストは錬金術師のこと。
日本では数年前にフルメタル・アルケミスト=鋼の錬金術師
というアニメがはやりましたが。たぶん影響は受けてますね(^^;
主人公は、羊飼いの少年サンチャゴ。
スペイン・アンダルシアの平原で羊を飼い、旅から旅への生活。
もともとは神父になるため神学校に通っていたが、
彼自身が広い世界を知ることを希望してのこの生活。
ある日、立ち寄った古い教会で夢を見ます。
一週間前にもみた同じ夢。
それを解釈するというジプシーの占い師によれば、
エジプトのピラミッドに行かねばならない。
そこで宝物を見つけて、彼はお金持ちになれるのだという。
そして広場で出会った「セイラムの王」と名乗る人物から、
宝物の見つけ方を習い、彼はエジプトに向けて出発します。
「なにかを本当にやりたいと思うときはその望みは宇宙の魂から
生まれたもの」
「だから何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように
助けてくれる」
「前兆に従うこと」
途中、だまされて有り金をまきあげられたり、
戦争に巻き込まれたりもしながらも主人公は旅を続け、
錬金術師に出会います。
錬金術師とは自然と世界を理解している男。
錬金術とは魂の完全性を物質界にもたらすこと。
捕まった野営地で
「この少年は自分を風に変えてみせる」
と錬金術師に言われ、サンチャゴは
兵士たちの前でそれを実証する羽目になります。
砂漠と対話し、風と対話し、太陽と対話し。
そしてついに「すべてを書いた手」と対話します。
少年は大いなる魂に到達し、神の魂はまた、
彼自身の魂であることを悟るのです。
そしてついに彼はピラミッドにたどりつきます。
そこで得た宝物とは…
物語としてとてもよくできています。
単なる楽しい物語というよりは、自己啓発系でしょうか。
人は人生の早い時期に生まれてきた理由を知る。
しかし様々な理由でそれをあきらめてしまう。
子供のころ、旅に出たかったパン屋は
とりあえずお金をためるためにパン屋をはじめ、
結局旅にはでていない。
羊飼いになれば旅には出られたのだが、
人は自分の運命よりも他人が羊飼いやパン屋をどう
思うかの方が大切になってしまう。
メッカに行きたいという夢を持ちながら、それが
実現してしまった後がこわいから夢見てる方がいいと、
行くお金がたまっても旅に出ないクリスタルの商店主。
彼は自分がだんだんと不幸になっていく気がする、
という。
サンチャゴがクリスタルの店で働いたことで商店は繁盛し、
彼は今まで知らなかった富と世界が見え、自分には限りない
可能性があることに気づいてしまった。
それなのに自分にはそれをやる気がないから不幸になっている、と。
「マクトゥーブ」
アラビア語で、それは書かれている、というような意味。
すでにそれは書きこまれていたことなのに、
眼をそむけて生きているうちに、手遅れになってしまう。
うーん。
刺さりますね。
大いなる可能性ばかり見えていた子供のころに読んでも
全然刺さらないと思いますが、
パン屋やクリスタルの商店主の生き方は
どこか自分に似て。
夢をあきらめずにひた進むサンチャゴの方が
まぶしすぎるのは、大人になってしまったという
ことなんでしょうかね(^^;
それでも、気分だけは子供のままの私としては、
まだこういう物語が書きたいという自分の夢に
ひた進んでいきたいと思っています(^^;
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